こんにちは、はじめまして。マロンといいます。
ちょうど10年ぐらい前でしょうか…ドラゴンボールの悟飯ちゃんに再熱して、サイトを開設していたものです。サイトの方は、5年前に私生活が慌ただしくなったことを機に閉鎖し、今は倉庫として放置しています。
今更ながらに、悟飯ちゃん愛が再熱してきまして…それでも私生活が慌ただしいことには変わりないので、長続きするかもわかりませんが、しばらくの間、ネット世界の片隅でわーわー騒いでいたいと思います。
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企画も第5弾。
折り返し地点というのに、まったく終わりがみえないのは、この期間で完結させることをあきらめたからだよ!←
注意書きはおきみやげ①をご覧ください。
学園飯飯。カオス注意!
=After raining=
折り返し地点というのに、まったく終わりがみえないのは、この期間で完結させることをあきらめたからだよ!←
注意書きはおきみやげ①をご覧ください。
学園飯飯。カオス注意!
=After raining=
⑤
「俺が来ること、ティメにいったんだ」
「うん、なんか僕一人じゃ不安だっていってたから」
あー、それはなんとも。
次ティメに会うときは、防弾チョッキでも着こまないと危ないかもな。
俺の命が。
「ま、ティメの顔は見物だったかもしれないけどな…」
むかつくぐらいなんでもできるティメの唯一にして最大の弱点が…双子の兄であるスクだった。
俺は悲しいかな…どちらかといえば不器用だ。
不器用というか間が悪いというか…発表会の前日に担当楽器の大太鼓を壊してカスタネット担当になるわ、学芸会の朝おなか壊して舞台にたてなくなるわ、就職活動の面接に向かってる最中に犬に追いかけられ、どぶにはめられ、すさまじい状態になるわ…でも、面接官――ぶっちゃけブルマさんなんだけど。社長自ら面接官をしているのがブルマさんらしい――に事情を話すうちに、逆に気に入られ採用されたんだから、世の中わからないものなわけだけど。
こんな俺を苛めて何が楽しいのか。
なぜか、ティメはやたら俺に理不尽なことをふっかけてくる。
まあ、悪戯をしたいお年頃、末っ子というポジションであるにも関わらず、兄たちには悪戯しにくい環境だったからなあ。
ミラには悪戯はことごとくスルーされるだろうし、アイツがスクにできるはずもない。
そうなると、手近な兄貴分の俺にばっかり無理難題を吹っ掛けてくるのもわからなくもない。
…あー、いや、スクが結構俺に懐いてくれてることもあるんだろうな。
そういや、散々俺をパシらせたとき、『なんでこんなやつがカッコイイなんていうんだ』とかいってたもんなー。
あれか、ヤキモチってやつなのか。そうなのか、ティメ。
もしそうだとしたら、アイツはもっとちゃんと冷静になればいいのに。
スクの話のほとんどは、お前か兄貴の話なんだぞ。
共通の話題がそれだけだといえば、それだけだが…それでも高校生の男児が話す話題において兄弟の話が尽きないって余程のことだぞ。
「何かいいましたー?」
「いや、ティメは間抜けな顔してただろうな、ってな」
「あはは。確かに変な顔、してたよ」
スクは笑いながら、キッチンから顔を出す。
手伝おうかといったが、お客さんなんだから座っててくださいとあっさり断れてしまった。
手持無沙汰に、ぐるりとリビングを見回せば…基本3で揃えられている食器や、クッションが目に映る。
「…簡単なものしかできないけど」
「十六歳男児で、オムライス作れたら上出来だろ?」
やっぱりこの家は三人家族の家だよな、なんて思っていればことりと置かれる皿の音。
「ミラなんて…いや、うん。まああれも一つの才能だよな」
「まあ、ミラ兄の料理完食できるのは、チョミさんと僕ら兄弟ぐらいですからね」
きっと、この子は無意識のうちになんでもできる双子を比較においているのだろうけど。
そこには触れず、あえて兄を出す。
といっても、ミラの料理だったら一生食べ続けてもいいとか…俺はひそかに思っていたりするのだが。
「いただきます」
最初は、ミラと仲良くなりたくて。
そしたら、自然とミラといつも一緒だった双子のことも目に入るようになって。
ミラが一番大事にしているのが、家族、兄弟だったから…俺も一緒に世話するようになって。
ただ、それだけの、つもりだったんだけどな。
ミラが俺の仕事を引き継いでくれたのだと、ブルマさんからきいた。
俺とミラの仕事におけるコンビネーションは半端ないから、と。
後任者にはミラしかいないと思ったそうだ。
今、学生はテストが終わり短縮授業に入っているという。
だからこそ、ブルマさんはその間だけでもとミラに仕事を頼んだ。
それならば、俺も一緒に…と考えたが、久しぶりに少しは休めといわれてしまって。
「チョミくんは、私を労働基準法違反で警察のお世話になるようにしたいわけ?」とまでいわれれば引き下がるしかない。
ついているのか、ついていないのか。
手持無沙汰の時間ができてしまったと思えば…ふと、この弟くんのことが、気になった。
寂しさに、悲しさに、涙を零した青年。
なんとなく、おやつどきにまた顔を出せば、最初は驚いたように「まだミラ兄は…」とかいっていたが。
「団子、まだある?」ときけば、嬉しそうに笑ってくれた。
その帰りに、おずおずと、「また…今度は夕飯も食べにきてください」と呟いたスクは…やはり、きっと寂しかったのだろう。
ふと、思う。
俺とこの子は似てるのかも、と。
大切な人がいて、でもその人にそのことがうまく伝えられなくて。
ひとりが、たまらなく寂しくなるときが、ある。
ただ俺と違うのは…その大切な人からのベクトルだってはっきりとでてることだ。
俺の場合も、大事に想ってくれてるのは…わかるんだけどなあ。
いかんせん、あの純粋さに踏み込んでいく度胸は、まだ俺にはない。
もっとちゃんと順番を踏んで…俺の気持ちをゆっくり伝えていきたい。
でも、アイツは若い。
若さゆえの、破天荒さと理不尽さと甘えが、ある。
…だからこそ、俺なんかに八つ当たりしちゃうんだろうけどな。
俺は、その馬鹿な弟分と、目の前で寂しげにしている弟分を同時に思い描き、にっこり「喜んで」と答えた。
きっと、俺の返答をきけば、あの馬鹿、より俺への嫌がらせ、酷くするんだろうけど。
でも、そのことが逆にこの悪循環をひどくすることに、アイツは気が付けるだろうか。
俺なんぞに構ってる暇があるなら、もっとすべきことがあるだろうに。
ちょっとした意趣返し。
そして、これでもほんの少しでも長く生きた人生の先輩からの助言。
あとは…単純にこの子がほっとけなかった。
どの気持ちが正しくて、どの気持ちが間違ってるかなんて知らないが。
俺は…おそらくならば、家族が食べるべきであろうふわふわオムライスに手をつけた。
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設定をいろいろつけたしてくから、長くなるんですよねー。
ちょみは、案外(……)冷静だといいなという個人的願望をこめてます。
ティメにいじめられつつも、その原因をわかってるといいなー、なんて思ってます。
どこまでも兄貴肌。でも、へたれ。笑
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