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こんにちは、はじめまして。マロンといいます。 ちょうど10年ぐらい前でしょうか…ドラゴンボールの悟飯ちゃんに再熱して、サイトを開設していたものです。サイトの方は、5年前に私生活が慌ただしくなったことを機に閉鎖し、今は倉庫として放置しています。 今更ながらに、悟飯ちゃん愛が再熱してきまして…それでも私生活が慌ただしいことには変わりないので、長続きするかもわかりませんが、しばらくの間、ネット世界の片隅でわーわー騒いでいたいと思います。
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他の書きたいお話、書くべきお話すべてふっとばしてこればっか最近書いてる気がするマロンです^q^q^
今回、この話と同時に、先日ルオさんからいただいたお話もブログにUPいたしました。「せっかくだから、もう一回、な?」になります!!

もうね、このお話を召喚できただけでも、私がこの連作書いた意味はあると思うんだ^q^q^
ほんとにルオさん、ありがとうございます…!!><







「おい、ティメ…まじで、スク、どうしたの?」
「……俺が一番ききてぇよ」
「は?」

クラスメイトの問いなど知りやしない。
俺は乱暴に席を立つしかできやしなかった。

「あの金髪、ほんと綺麗よねえ」
「染めたって感じがしないもの。もしかしてもともと金髪だったの逆に染めてたのかな」
「えー、それ勿体無いって。目もカラーコンタクトなんかな?」
「気になるなら聞いておいでよ」
「…でも、なんか近づきにくくなったよね」
「だけどそれがいいじゃん!ほら、ずっと真面目通してたし。ちょっと遅い反抗期ってヤツじゃない?愁い帯びたオーラっていうのかな…すごく色っぽいよねえ」

昼休み独特の喧騒。
廊下の隅で黄色い声を上げてる女子。
誰のこといってるかなんて痛いほどよくわかるから。
がんと強めに壁を叩けば、蜘蛛の子を散らすようにどこかへ消えてしまった。

ただの反抗期っていうなら、よかった。

――もうお前が知ってる僕はいないから。声、気安くかけないで。

思い出すだけで、腹ん中どうにかなっちまいそうだ。

朝、学校に着くなり、隣の教室の前で張った。
どれだけ携帯にメールをいれても、電話をいれても、うんともすんとも帰ってこない夜の長さはどれほどのものだったか。
一睡もできず、携帯を持って近所を走り回った。
俺が知る限りでのスクの友人関係も全部当たった。一番可能性が高いと思ったアルすらも知らないようで、だいぶ焦った。

明け方近く、夜勤明けで帰ってきたミラ兄だって、スクが連絡もなく帰って来なかったのにだいぶ驚いて。
慣れもしない携帯でメールを打ったぐらいだった。
そのミラ兄に対するメールの返信で、ようやく「バイト先の友人の家に泊まらせてもらったんだ…連絡しなくてごめんなさい」とスクからメールが入ったときき、無事であることに心底安心した。
安心すれば、怒りだってこみあげてくるわけで…。

――なんで、昨日…帰って来なかったんだよ。

始業ギリギリの時間に俺の目の前に現れたのは、金髪碧眼を纏った青年。
だが、それは誰が何と言おうとも、スクだった。
俺が、スクを見間違えるはずなんて、ないんだ。

俺のことが視界に入らなかったはず、ないのに。
無視してさっさと教室に入ろうとした青年。
ぎゅって、手首を握って、問い詰めた。

ぱん、と弾かれた。
あまりのことに、唖然としてれば、にこっと微笑んでいわれた一言。
それはいっそ無邪気で。そんな笑み、ここしばらく見てなかったから、逆に言葉を失った。

なんで…という俺が唯一発せた一言に、返ってきたのは「気分転換」の一言だった。
もともと自由な校風が売りなこの学園には、髪染めについて…なんぞ校則がない。
別に髪の色が変わるぐらい…なんてことはない。
だけど、やっぱ、どうしてもアイツと金髪は重ならない。

それ以上に……

「やっぱ…わかんねえよ」
「…言葉、かけないでっていったよね?」

おそらくは、もう家に帰ってくるつもりはないのだろう。
そんな恐ろしい、直感。こういう嫌な直感だけは外れたためしがない。
だから、ここで捕まえるしかなかった。

先日の落雷か何かで、貯水タンクが破損したという理由で立ち入り禁止になっていた屋上には一人を除き、誰もいなかった。
そのただ一人である片割れは、何をするでもなく、ぼんやり空をみていた。
逃げられないよう、腕を無理にひけば…香るコロン。
俺が知らない香り。だけどそれはどこか大人びた…スクとは相容れないものだと、俺は思う。

「俺、納得いかねえ。なんで家に帰ってこないんだよ?なんで俺のこと、避けんだ?なあ、俺のこと……」

嫌いになっちまったのか。
とは口が裂けてもいえそうになかった。

「……ティメのそういうとこが嫌いだ」
「スク…」

だけど、片割れははっきりと俺が濁した言葉を繰り返した。
吐き捨てるように。それこそ、今まで見たこともない、スクの姿だった。

「僕はお前のそういうとこに耐え切れなかった。だから消えた。ほんとはボクだって消えたかった。だけど……」

一瞬ぐっとこぶしを作ったスクは、消えそうな声で…「みらにぃが、連絡くれたから……消えちゃダメだって思えた」と呟いた。

「ミラ兄は…これ以上、失わせちゃダメだから。たとえボクでも」

だから、まだ…少なくともボクが独り立ちできる環境を手に入れるまでは、ミラ兄に安心させれるようになるまでは消えるつもりはないよ。
そう、笑う、スク。
なあ、それって裏を返せば…そういうの手に入れたら消えるっていってるようなもんじゃねえか。

「ねえ、ボクらはいろいろ近すぎたんだ。たった3人の家族だからって、ずっと依存しあって…ほんの些細なことで瓦解するほどに、お互いがお互いに頼りすぎた」
「俺は、ただ…スクが傍に」
「ティメのその優しさが、僕には毒だっていい加減気づいてよ。お前のその優しさに酔いすぎた僕は、その好意が少しでもほかに向いてるって思っただけで、壊れたんだよ」
「ど、ういう――」
「大丈夫。やっと気づけたから。一番お前を縛ってたのは他でもないぼくだって気づけたから。もうティメを解放してあげる。ティメは一番ティメが居心地のいい場所にいけばいい。ボクなんかのこと忘れて」
「んなの――っ」

がしゃん
気づいたときには、スクをフェンスに押し付けていた。
勢いがつきすぎたのか、白のカッターのボタンが、外れる。
ふわり、また香る、コロン。
シャツの間から、うすらみえた、赤い、紅い鬱血は……噛み痕。

鈍器で頭を殴られたような衝撃が全身を襲う。
言葉は何もでない。ほんとうに恐怖したとき、人は言葉を失うというけどそれはほんとうなのか。
なのに、見上げる瞳は、変わらない。どこまでも澄み切った青色はただ虚空を映すのみ。

ぞっとするような、無。
まるで、すべてを…捨ててしまったような。

「濡れてるね…」

触れる指先。

「濡れてるよ、ここ……ボクなんかのために、泣いてくれるんだ」

そっと目元をなぞっていく。
人より体温の低い片割れのそれは、熱を持ったそこに心地よい。
――ティメの泣き虫。これぐらいで泣くなって。
そうあきれたように笑って、頭を撫でてくれた兄の面影がそこには、確かにあるはず、なのに。

「ボクは弱いんだ。ヒトリになるかもと思ったら、耐えられない。だから…誰でもいい。慰みが欲しい」
「なっ、」

なのに、兄は変わらない笑みで、いう。

「でもね…ティメ。お前の慰みだけはいらない。絶対に」

だから、さよならだよ。


がらり、俺の世界が崩壊していく音が重なった。




~~~
「濡れてるよ、ここ」 Fortune Fate

「お前の慰みだけはいらない」に、スクの最期の訴えがあるけど、ティメはショックすぎてうまく受信できてません。スクはティメからは慰みなんていらない。ちゃんと…心が欲しいんです。でも、そんなこといわない、いえない。
ティメスクはうまく合致したときはお互いの意思疎通半端ないけど、外れたときのズレっぷりも半端ないです。お互いに関することがあまりにも視野が狭いんですよね。


それにしても、この最初の一文字で結構楽しんでいただいていたみたいでww「ぬ」はちょっと変化球にしてみたよww^^b
お題を無理やりはめ込んでいくの、楽しいけど、既に無理が生じそうな気がしてならないですwwww

ちなみに予定として次に考えてるのは「ち」か「る」ですww「ち」はぶっちゃけ裏にしかならないので、もしかしたらスキップするかも、です^q^q^省略した部分だから、ぶっちゃけなくていいんだけど…某さんのあまりにも素敵なクロスク読んでから、書きたくて仕方ないんだwwww
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