こんにちは、はじめまして。マロンといいます。
ちょうど10年ぐらい前でしょうか…ドラゴンボールの悟飯ちゃんに再熱して、サイトを開設していたものです。サイトの方は、5年前に私生活が慌ただしくなったことを機に閉鎖し、今は倉庫として放置しています。
今更ながらに、悟飯ちゃん愛が再熱してきまして…それでも私生活が慌ただしいことには変わりないので、長続きするかもわかりませんが、しばらくの間、ネット世界の片隅でわーわー騒いでいたいと思います。
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きになるきになる
…なんていってる場合でもなく!手もちに投下できるものもなく。
でも悟飯大好きだーって叫びたかったので、下で紹介したオフ本になるかもしれない長編の一部を投下しときます…!
おかしいな、最近休みの日は地味にかきまくってたはずなのに、ぜんぶ原稿だからサイトには反映されないっていう^q^q^
というか、その原稿も、もはや悟飯といっていいのか迷われるぐらいのパロディものですみません…!
だけど悟飯への愛だけは今もずっとずっとあるんだぜええっ!!
悟飯の日ばんざい…!!
○サンプル1○
ふわりふわり。
ゆめとうつつの境界線ってほんとはどこにあるのだろう。
浮かんでは、消えていく、記憶のピースたち。
手を伸ばしても、それらは砂のように指の狭間から落ちていく。
抱きしめようとすれば、するほど、それは脆く、儚い。
こぼれおちたものを、必死に掻き集めても、それはすでにちぐはぐで、歪なものでしかない。
記憶は、自分だけのものだから。
だから、美しいのだと、そう誰かが言っていた。
アイツは今、その美しい檻の中にいるのだろうか。
僕には友達なんて…いなかった。
ううん、友達になれそうなときはあった。
だけど…
「…ごめん」
育ての親である兄はいつもどこか悲しげに、どこか苦し気に僕に謝った。
それは合図だった。その土地を離れるという…
たった一度だけ「なんで僕はここにいちゃダメなの?」と訊いたことがあった。
兄はやっぱり悲し気に苦し気に「……ごめん」といって――抱き締めてくれた。
その時思ったんだ。この腕だけあればいい、と。
僕は友達はいなかったけど…当たり前のように与えられる温もりを知っていた。
だから、笑っていられた。
でも、アイツは…
「どうしよう…」
灰色の世界に踞るアイツを見つけたのは僕だった。
ふわりふわ。
ねずみ色の空から降り注ぐ冷たい白銀。
暖かいところをぐるぐる回っていた僕には、それは新しい玩具にも思えた。
はあとするだくで白く染まる空。
それは一瞬のことだけど…それでも僕の息でも空を染めることができるのが、なんだか嬉しくて。
まるで何もかもが白く染まっていくみたい。
ミラ兄には外に出ちゃ駄目だよっていわれてた。
ミラ兄との約束は僕にとって唯一の絶対だった…だから、今まで一回も破ったことはなかった。
でも…でも……
「わあ…!」
やっぱり、灰色の外の世界は今までみてきた世界と何もかもが違った。
しゃりしゃり鳴る地面。
子どもは…僕以外誰もいない。
ほんとだったら僕ぐらいの年の子はがっこう、っていうとこに行ってるんだって。
だから、今この不思議な世界を独り占めにしてるのは僕だけなんだ。
「えへへ」
なんだか、嬉しい。
ここにミラ兄がいればもっと嬉しいのに。
僕一人だったら空を白く染められないけど、二人だったらきっと…
そうだ、ミラ兄が帰ってきたら一緒に遊ぼう。
きっと、ミラ兄もミラ兄と一緒なら外に出てもいいよっていってくれる。
その思いつきは僕の心を踊らせた。
軽くステップを踏めば、キュッキュ笑う地面。
僕も笑った。
でも、笑っていられたのは少しの時間だけだった。
「どうしよう…」
僕以外に子どもはいないはず…なのに。
灰色の世界に踞る子どもが、いた。
呼ばれてたんだ。
誰かに。
何ていってるか、なんてわかんなかった。
ただ、呼ばれてた。
しんしんしん。
白が子どもに積もっていく。
しゃりと近づいても子どもは動かない。迷ったのは一瞬だった。
「一緒にあそぼ」
ちょっとの勇気。きっとこの子と一緒にいられるのは少しだけ。
そう考えたら、チクリ、嫌な音がしたけども。
それでも、やっぱり…
「ね、二人で空を染めよう」
灰色の世界。だけど二人ならきっと違う色に染めれるよ。
「…そんなの、無理だ」
蹲っていた白が、かさり音をたてて顔をあげた。思わず、息をのんだ。
だって…
「そっくりだあ」
白は僕そっくりな少年だった。
「…誰だよ、お前」
鏡なのかな、って思った。そしたら、さっきのチクリがなくなった。
だってこれは
「僕は君、だよ」
不思議な空がくれた魔法だから。
鏡みたいにそっくりな“ぼく”。
魔法は一瞬で解けるかもだけど…ずっと続くかもしれない。
そんな不安定で、素敵なものが魔法だもの。
「…なんだよ、それ」
少年は、笑った。
その笑いは…どうしてかな、ちょっと痛かった。
「な、なに、する…ん」
「だって、痛いもん」
痛いと思ったら、手が伸びていた。
自分でもよくはわかっていなかっただろう。
子どもって周りの子どもが泣いてたらつられるだろう。
きっとそれに近いものだったんだと思う。今、思えば。
あのときの僕は、とにかく、痛かった。
目の前の子どもは泣いてなかったけど、僕には泣いてるようにみえたんだ。
だから、手を伸ばした。
そして、いつも兄がしてくれているように、抱きしめた。
「…お前さ、俺のこと怖くない?」
一瞬緊張したのかもしれない。
もしかしたら、こういった温度に慣れていなかったのかもしれない。
少し息をつめた少年は、ゆるゆると息を吐いたあと、驚いた…というよりも困ったように呟いた。
「…こわくないよ。だって僕は君で君は僕なんだよ」
十秒くらいかな。ただ抱きしめていれば、少年はついに腕の中でプッと吹き出した。
「そっか…じゃあ」
少年はゆっくり顔をあげた。
至近距離でみつめる瞳。
綺麗だな、って思った。
僕ととてもよく似ている。だけど、僕より鋭い、赤みがかった綺麗な色だった。
ぼーっとその色をみていたら、おずおずと伸ばされる手。
それらは自然と重なって…
「遊ぶか、もう一人の俺」
「…うん!」
にいちゃん以外と遊ぶのは久しぶりだった。
だから僕は嬉しくて仕方なかった。
「どうしたの?」
「じゃ…これはいらねぇな」
“ぼく”は手に持っていた何かを放り投げた。
鈍く光るそれはこの世界には場違いなぐらい真っ黒いものだった。
「それ…なに?」
「あー、そっか。知らなかったんだな、お前」
だから俺のことも怖くないんだな。
少年は小さく笑うと「お前は知らなくていいさ」と呟いた。
僕はその言葉の重さをずっとずっと知らなかった。
知らないまま、ただ甘受していたんだ。
お前と一緒にいられる、シアワセを。
○サンプル2○
「…ティメ、最近無理してない?」
「ん、俺様はいつだって元気だぜ?なんなら体で証明しようか?後3回は軽くいけるね、俺は」
「ばかっ、そういうこといってるんじゃない」
ただ、どうしても、すごく不安になるときが、ある。
このままだと、いつかこのぬくもりが突然消えてしまいそうで。
ひょこり、顔だけシーツから出して、包まれる腕に手を添える。
ここに在るのだと、確認するように。
「…僕はちゃんとここで待ってるから。無理だけはするな」
「スク…」
ぎゅって抱きしめてくれるティメ。
僕は深く考えることを次第に放棄しはじめていた。
心の底にある、何か。
それについて考えれば、途端何かが揺らぎそうになる。
だから――僕はただ、そのぬくもりに甘えることにした。
なぜ、ティメがこんな行為をするのかなんて、考えようとしなくなっていた。
でも、それでも、ずっと心の奥底にあったそれは、消えることはなかったんだ。
草木も眠る丑三つ時。
真っ暗夜空は闇しか映さず。
お月さますら、眠っていた。
こんこん。
たった二度。
小さなちいさな、音。
きっと、屋根裏に住むねずみすら、気づきもしなかっただろう。
その音を僕は聞いたことが、ない。
でも、それは合図だった。
アイツは、音もたてずに僕の隣から抜け出した。
抜け出そうと、した。
僕の手は夢と現の間で、アイツの手を掴んでいた。
僕はただ、アイツの気配が消えることに敏感になって、いた。
今思えば、それはきっと――たとえ表面ではアルのことを忘れていても、どうしても拭い去れない不安が心の底に、できてしまったからだろう。
「スク…大丈夫。ちょっとトイレ、な?」
「…うん」
「1分で帰ってくる」
だから、60秒数えておいてくれ。
そう笑ったティメは、まだ半分夢の世界にいた僕の手をそっと包んで、手首にキスをくれた。
そのぬくもりに安堵した僕は、心の中でカウントダウン。
1,2,3…
「んだよ、チョミ…今日は声かけんなっていってた――は?急用?」
19,20,21…
「いきなり明日だと――しかも、バラガスか。嫌な客だな…」
45,46,47…
「――あー、はいはい、わかってるって。んなこと、いわれなくても」
53,54,55…
「おう、明日な」
60。
「ただいま」
「…おかえり」
夢の狭間で聞こえた言葉は、本来ならば僕の耳に届かないはずだったのだろう。
ねえ、僕はすでに力を解放し始めていたのかも、しれないね。
そのことにお前が、そして僕自身、気づけていなかったのは幸か不幸か。
それこそ、神のみぞ知る、なのかな。
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まろたの暴走は止まらない^q^q^
このパロ、書いててめちゃ楽しいんだ…!わーい来週中には完成させるぞぞー!^q^q^
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