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こんにちは、はじめまして。マロンといいます。 ちょうど10年ぐらい前でしょうか…ドラゴンボールの悟飯ちゃんに再熱して、サイトを開設していたものです。サイトの方は、5年前に私生活が慌ただしくなったことを機に閉鎖し、今は倉庫として放置しています。 今更ながらに、悟飯ちゃん愛が再熱してきまして…それでも私生活が慌ただしいことには変わりないので、長続きするかもわかりませんが、しばらくの間、ネット世界の片隅でわーわー騒いでいたいと思います。
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連続投稿。
久々ネット復帰記念。(笑)
一応、2の続きになってます。
携帯でぽちぽち打ってたもの…元旦ネタです。
もうすぐバレン…タ…インなのにね。





震えた、手。
逸る心を押さえ、開いた先には。

Sub:Re;あけおめ!
From:こすけ



何の変哲もない、友人からの返信メールだった。


「紛らわしいんだよっ!!」

てか、挨拶メールのときぐらいRe消せよ!!
だから、お前はいつまでたってもこすけなんだ!
思わず、いらない小言まで出てしまう。
というか、これは八つ当たりか。

「俺の緊張返せ…」

呟いた言葉はやはりどこか寒い部屋に反響して、消えていった。


「いらしゃいませー」

年中365日、年末年始だってカンケイアリマセン。
それが、今の日本のサービス業の現状でしょ。
その現状を体現しているであろうコンビニエンスストア。
さっきから、初詣帰りの客が後を絶たない。
何が悲しくて、新年早々俺は笑顔を振りまいてるんだろうか。

その胸ポケットには、携帯電話。
ほんの少しの振動で、俺の心臓も大きく揺れる。

結局、俺は明け方近くまで携帯とにらめっこをすることとなった。
あまりにも静かな空間は時間の感覚を狂わせそうで。
つい、省エネ省エネといいながらもテレビを時計代わりにつけてしまって。
なんともくだらない情景が流されるのをどこか夢うつつの気分で眺めたりしながら。
結局戻る先は、さっきから微動だにしない機械。

あー。
あの健康優良児のこと。
すでに寝てるのかもしれない。

そう、何度も心に言い聞かすも、

(…返事が来ない)

このことは俺に少なからずの打撃を与え続けるのだった。


寒い。
まじで寒い。
俺様、寒いの、弱いのよ。

ぼんやり思う。
現実逃避が最近の得意技だな、とも。

もう、夕方だ。
さすがに、あのメールに気づいているだろう。
なのに、何一つ返って来ない。
…帰ってこない。

1月1日のこの時間。
いつもと比べ、人もまばらだ。
きっと、初詣も終えて、今頃炬燵でごろごろが通常コースなのだろう。

こつこつと歩きなれた階段を上る。
小さく反響する音が、妙に寒々しい。

「目を瞑ってだって、駆け抜けられる自信がある!」
そう笑った、あの子。
思わず苦笑い。
そしたら、あの子は実践して見せた。
曰く、「なんだか馬鹿にされてる気がして」だとのこと。
危ないから二度としちゃ駄目!としっかりこってり絞っておいたが。
「理不尽だ」と不貞腐れる横顔がなんとも愛しかった。

ああ、そうか。
たった一つの音が消えるだけでこんなにも俺は寒くなるんだ。

「俺様、いわれなくても末っき「おそいっ!!」

あまりのあまりの現状に開いた口が塞がらない。
勿論、自身の思考回路の破綻具合になんともいえないのもあるのだが。

「ど、どうして…?!」

この目の前に広がる世界は、俺が見せる幻覚か。

「御館様と初詣を済ませた足で、ここまで来たのだからな!」

怒っている、顔。
それは、いつも見慣れたもので。
でも、ここにあるはずものではなかった。

「まさか、徒歩で?」
「何をぬうすけたことをいっておる!勿論特急を乗り継いでだ」

この人にぬうすけているっていわれたら終わりでしょ。
そんなどこか冷静のような冷静じゃないような思考。
ただ、みつめていた。

「ん」
「へっ?」
「だから・・・寒いでござろう?」

きづいたら、突き出されていた手。
ああ、鍵か。
慌ててポケットをまさぐり、冷たいそれを手渡す。

「つめたっ!ってアンタここでどんだけ待ってたの?!」
「ついさっきだ!」
「ついさっきで、なんでこんなに冷たくなるの?!」

そのとき触れた指先の、あまりの冷たさに思わず眉をしかめる。
すると、目の前の子ども・・・大切な人は「やっと佐助らしくなったな」と笑った。
「どーせ、俺は保護者属性ですよ」なんて僻みながら、そっと両手を包み込む。
あー、部屋に入ったらまずココア、作らないとな。
やっと回りだした思考の隅でそんなことまで考え出す俺は、やはり過保護なのかもしれない。

「たく、なんで手袋もしてないの」
「急いでたからな」
「急いでたからって・・・」
「俺も佐助に「あいたい」と想った」

あって、直接いいたいと想った。
だから、いそいでやってきたのだぞ。

ちゃりん

小さく響く、音。
どちらの手からどちらの手に渡されたのか、もうわからない。
ただ、銀色に輝くそれは、どこか優しい温かさを含んでいた。

09. 僕のてのひらに降りてきたもの

~~~
お正月小説の続き。(時期はずれも甚だしい)
あまりにも、英雄の佐幸可愛かったから…!
可愛い佐幸が書きたくなりました。
でも、結局いつもとあんまりかわらない・・・?!(笑)
お題はこちらからお借りしました。
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