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こんにちは、はじめまして。マロンといいます。 ちょうど10年ぐらい前でしょうか…ドラゴンボールの悟飯ちゃんに再熱して、サイトを開設していたものです。サイトの方は、5年前に私生活が慌ただしくなったことを機に閉鎖し、今は倉庫として放置しています。 今更ながらに、悟飯ちゃん愛が再熱してきまして…それでも私生活が慌ただしいことには変わりないので、長続きするかもわかりませんが、しばらくの間、ネット世界の片隅でわーわー騒いでいたいと思います。
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というわけで、連続投稿です~

カルマの坂Ⅳの前編です。





ゆめは  さめるもの
うつつも さめるもの なのか


=カルマの坂=Ⅳ  前編


「神様は、いるよ」

あまりにも綺麗に笑うから。
そんなわけ、ないじゃんなんて…いえなくなった。

今日も今日とて。
一日の業務を無事こなし。
青年は、夜の祈りを捧げていた。

俺はまだ、一度も、祈りを捧げることはしていない。
少し。
ほんの少しだけ、人というものに対する見方は変わってきたように思う。
だけど、神という形ないものはまだ…信じようとは思わない。

だって、神様がいるのならば、なぜ貧しい人がでてくる?
富に囲まれて優雅に笑う陰に、貧困に塗れて泣かなくてはいけない人が生まれるのはどうして?
神様がいるなんて、嘘だ。
じゃなきゃ、なんで神様はこんな不平等な世界を生み出すんだ。

そう思う。
なのに、この青年にそういうのはなぜか躊躇われた。

「この世界は…不平等かもしれない」

でも、青年は俺の想いを汲み取ったようで。
少し俯きながら、続ける。

「だけど、それを生み出したのは、神様じゃない。人なんだ」
「人が…?」
「うん…神様はただ見守るしかできないんだよ」

そうかもしれない。
この歪んだ世界は…紛れもなく人が生み出した業なのだろう。
でも、そうだとしても、なぜ貴方は神などに祈るのですか…
ただ、見守るしかできない…弱き存在に。

「でもね、神様は時折見えない力で僕達を助けてくれていると思うんだ」
「見えない力…?」
「そう、たとえば僕がピッコロさんに助けてもらったこと…」

青年はいう。
死に掛けていた自分を救い出してくれたのは、そのピッコロという人なのだと。
その言葉に、なぜだか無性に悲しくなるのはどうしてだろう。
わかっている…それは嫉妬なのだと。
この青年を助けてくれた人に、心から感謝しているのに。
でも、やっぱり悔しいんだ。
俺が助けられなかったその事実に。

「それから、君に出逢えたこと…」
「、えっ…」

知りもしない男にむかって、八つ当たりをしていれば。
青年は、そっと腕をのばして、俺の頭を撫でた。
子どもにするその動作に、ちょっと恥かしくなったけど…心地よくてその手が払えない。

「神様っていうのは少し違うのかもしれないね…でも君と逢えたこと、すごく嬉しいんだ。
 誰かに感謝したくなるぐらいに、ね」

青年は、またあの像に向き合う。
そして、目を瞑り、手を組み、祈りを…いや、感謝の気持ちを捧げる。
その気持ちが、ちょっとだけ俺にも理解できたような、気がした。

青年の隣に膝をつく。
そして、見よう見まねで青年と同じように手を組む。
どこの誰かはしらないけれど…もし、神という存在がいるのならば。
この優しい人に出逢えたこと、心から感謝しよう。
だから、願わくば…この人の隣に――



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展開みえみえでごめんなさい…涙
こういうベタなノリが大好きなのです。
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