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こんにちは、はじめまして。マロンといいます。 ちょうど10年ぐらい前でしょうか…ドラゴンボールの悟飯ちゃんに再熱して、サイトを開設していたものです。サイトの方は、5年前に私生活が慌ただしくなったことを機に閉鎖し、今は倉庫として放置しています。 今更ながらに、悟飯ちゃん愛が再熱してきまして…それでも私生活が慌ただしいことには変わりないので、長続きするかもわかりませんが、しばらくの間、ネット世界の片隅でわーわー騒いでいたいと思います。
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はい、続きましてカルマの坂です。
ほんの少しでも、ネットに繋いだからにはおいておきたいので…

Ⅲは結構長くなりそうな予感…来週までにちゃんとⅢを完結させれるといいなぁ。




つれて いかないで
つれて いかないで
たいせつな たいせつな


=カルマの坂=Ⅲ 前編


嫌な夢をみた。
ここ、三日間、ずっとだ。
この人と…ライスと名乗る人と出会ってから、毎晩見る夢。
何かを、俺に教えようとしてくれている…?
でも、それがわからない。
ただ、焦燥のみが募っていく。

やっと、やっと…この人なら側に居てもよいと思えるようになったのに。
どうして、手に入れた側から、こうも不安に駆られるのか。

「眠れない?」

ベッドから起き上がり、胸を押さえていれば、かかる、声。
それは、すぐ隣から聴こえてきた。

「ごめん…起こした?」
「嫌な夢でも、見たの?」

青年も上体を起こし、俺と目線を合わせる。
この家には…ベッドは一つしかない。
だから、最初この人は椅子で寝ていた。
怪我人の俺を気遣って。

そのことに気付いてからというもの、渋る青年を無理やり同じベッドに引きずりこんだ。
そりゃあ、俺だって子どもじゃないし…狭いのは当たり前だけど。
それでも、この人が俺の所為で椅子なんかで寝ているのより、マシだ。

至近距離。
ほんの少しの身じろぎでもその振動は相手に伝わってしまう。
だけど、それがなぜか懐かしい。

でも、こんなときには困りものだ。

「……うん」

青年に嘘はつけず、正直に答える。

「そうか…じゃあ、おまじないだ」

俺の答えに、青年は二人でそろって使っている一つの枕を持ち上げた。
そして、ぽんぽんと叩きながら、

「バクさん、バクさん、悪い夢は食べとくれ」

と、歌いだした。
呆気にとられていれば、そのおまじないとやらは終わったようで。
これで大丈夫だよ、とどこか誇らしげな笑顔で笑うものだから。

「はは…すごいおまじないだね」
「む、馬鹿にするなよ。結構これきくんだからな」

とても、温かな気持ちが溢れてきて。
嫌な夢なんて、消えてしまった。

いまは
ゆめよりも うつつのほうが やさしいんだ
なんでだろう















青年の朝は、早い。
太陽が昇るのと同じくらいに起きだして、青年はどこかへ行ってしまう。
お祈りだといっていたけど…まだベッドから出ることにお許しがでていない俺はその内容がよくわかっていなかった。
そのあと、青年はちょくちょく顔を見せにきてはくれるけど、実質この部屋に戻ってくるのは夜も大分更けてからというのが常だった。
俺は、この青年のこと…名前と職業以外何も知らなかった。

でも、目が覚めてから三日経って。
ようやく、俺も動けるまでに復活していた。
だから、この日、俺は青年にくっついていって、そのお祈りとやらを見ることにした。

部屋を出て。
細い廊下をまっすぐに。
そして、開けたところは――

「花畑…?」

俺の言葉に、青年は優しく笑って天井を指す。
そこからは空を見上げることが、できた。
朝の光がまっすぐに差し込んでいる。

「この教会…ステンドグラスなんて高価なものないからね」

光源になっているそれ。
その下には色とりどりの花が咲き誇っていた。

「案外良いものだろう?」

ほんとは、ずっと前の嵐で穴が開いたらしいんだ。
でも修理するお金なんてないからね。
そのままになってるだけなんだけど。

苦笑しながらつけたす青年だったが、この小さな花畑をとても大切にしていることは彼の醸し出す雰囲気でわかった。

まわりを見渡せば、ところどころ壊れた椅子が並べられていた。
そして、正面にそびえるのは…一人の女性とその腕に抱かれた子どもの像。
たったそれだけしかない、なんとも質素な礼拝堂だった。

青年は、その一つの像の正面に膝をつく。
手を組んで、ただ無心に。

風が、吹く。
花が、舞う。
青年を包むかのように。

光が、眩しい。



~~~
尻切れトンボ…申し訳ないです;
私はよほど、兄弟が一緒に寝ている設定が好きらしいです。(笑)
原作でもベットくっつけてたしね!
きっと、大きくなっても時折くっつけちゃうんだよ。
そうだったら、私が嬉しい。(……)

教会のイメージはFF7の教会です。
教会に花畑ってすごく絵になって素敵だと思うのです。
後編でもう少し舞台設定を明らかにできるといいなvv
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