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こんにちは、はじめまして。マロンといいます。 ちょうど10年ぐらい前でしょうか…ドラゴンボールの悟飯ちゃんに再熱して、サイトを開設していたものです。サイトの方は、5年前に私生活が慌ただしくなったことを機に閉鎖し、今は倉庫として放置しています。 今更ながらに、悟飯ちゃん愛が再熱してきまして…それでも私生活が慌ただしいことには変わりないので、長続きするかもわかりませんが、しばらくの間、ネット世界の片隅でわーわー騒いでいたいと思います。
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連続投稿、王宮編。

あと一話で完結です。
ここまでお付き合いくださった方々にはめちゃ感謝です…!
あ。パロディを免罪符にやりたい放題やってますので、飯飯で結婚とかありえねぇ…!という方はまわれ右!みなかったことにしてくださいね。笑






「あまり大事になる前に片がついたのは不幸中の幸いだったな…」
「だな」

反乱の事実を知るものは、少なかった。
まあ、相手さんも俺らがこんなにも早く軍をまとめて、鎮圧しに来るとは思っていなかったのだろう。
結果、国民には反乱の不安を感じるよりも先に、俺らの圧倒的な力を感じ、同時に軍を協定するほどの絆を三国間が持っていることを身にしみることとなった。
むしろ、これは雨降って地固まるというやつかもしれない。

しかも、畳み掛けるように、ティメとスク王子の婚姻が整った。
さらに、悟飯王子はほんとうに頻繁にサイヤ国に来てくださって…経済の網を調える準備をしてくれている。
そのおかげで、ツパ王も機嫌絶好調で…それはもう楽しげに国政に精を出してくださっている。
確実に、“真の平和”というものに近づいているのだろう。

「それにしても、あいつら…なんていうか」
「ほんと仲いいよなあ」

三国の国境の境目で行われた式は、ほんとうに大勢の民が詰め寄せた。
その中で、ティメ…ティ姫は、

「『…俺が誓うのは、国でも、ましてや神でもない。スク自身に俺の愛を誓う』ってどんなくどき文句だ」

真っ赤なドレスっていう時点で、ひどく目をひくというのに。
とんでもない、愛の誓いをやらかしたのだ。
ああ、スク王子が一瞬ふらついたのは、目の錯覚などではないだろう。
といっても、スク王子の場合『ぼ、くも…ティに誓います』とかいったんだから、アイツらああみえて案外似たもん同士なのかもしれない。
何より、一番気の毒だったのは、あの神父さんだろう。
愛の口上をとられてしまったのだから。

「チョミの教育の賜物、だろ?」
「…勘弁」

でも、二人の愛が全国民にしれてよかったんじゃないのか?
そう、笑うミラの…“チョミ”の響きに思わず心臓が大きく跳ねる。
ここ数週間は、二国間の橋渡しとして、俺とミラはほとんどともにすごした。
今回の当事者たちに一番近しいもの同士ということも幸いして。

その間に培った、砕けた口調が…嬉しくて仕方がない。

「これで、スクもサイヤで暮らすわけか…」
「ああ。そうだ、な」

もともとサイヤの血も半分流れているというスク王子。
そのことは、今は伏せられているが…いつか、自らの口で話したいと本人がいっていた。

二つの国の血を引く王族の存在は、またきっと大きな種になるだろう。
それはそれで喜ばしいことに違いない。
だが…。

「これで、俺の仕事もひとつ終了、か」
「ミラ…」

少し寂しげに呟く横顔に、胸が締め付けられる。
そうだ。もうこの人と一緒にいられる時間も…これで終わりになってしまうんだ。
ティメのやつは、ミラにスク王子の付き人についてきてもらえばいいといってはくれていたが…。
なんといってついてきてもらえば、いい?
彼は、スク王子の教育係であると同時に、内務大臣も勤めているというじゃないか。
そんな重役である、彼に…もう教育は必要ない王子についていた教育係にどういえば、いい?

「それで、ひとつ案があるんだけどな」

黙りこくってしまった俺に、片目を瞑ってみせる、左目に一筋の傷を負った青年。
その姿は…まるで悪戯小僧のようで。
そんな表情を知らなかった俺は…あまりに間抜けた顔をしていることだろう。

春を告げる、一陣の薄紅色の風が青空をかけた。

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