忍者ブログ
こんにちは、はじめまして。マロンといいます。 ちょうど10年ぐらい前でしょうか…ドラゴンボールの悟飯ちゃんに再熱して、サイトを開設していたものです。サイトの方は、5年前に私生活が慌ただしくなったことを機に閉鎖し、今は倉庫として放置しています。 今更ながらに、悟飯ちゃん愛が再熱してきまして…それでも私生活が慌ただしいことには変わりないので、長続きするかもわかりませんが、しばらくの間、ネット世界の片隅でわーわー騒いでいたいと思います。
[364]  [363]  [362]  [361]  [360]  [359]  [358]  [356]  [355]  [354]  [353
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

携帯再録パート3。

これで、たぶん全部ブログに移動したはず…?







反乱はものの数日で蹴散らした。実際の戦闘は、数日どころか数時間だった。なぜか、ティメがいつも以上にやる気だったこともあったのだが。護衛団の長が、先陣切ってたった一人で敵の本隊に突撃していくか、普通。

それでも、かすり傷ひとつ負わず、敵の総大将を捕らえてくるのだから、まあ腕は鈍っていないようだったが。


「…もう少し長引かせろ」
「あのなあ…それが一国の主の台詞か、おい」

一言二言文句をいっても罰はあたらないだろう。コイツのせいで、俺はあの人と一緒にいれる時間が結果として減ってしまったのだから。

「俺は、だーーーいじな約束してんの。そんな我侭つきあってられっか」

溜息をつきながらも、どこかにたにたと幸せそうな笑みを浮かべる護衛団長に、とりあえず右ストレートを一発叩き込んどいてやった。

「ちょ、この一番の功労者にこの仕打ちはねぇんじゃねぇの!?」

何かぎゃーぎゃー騒いでいるようだったが、それは一瞬にしておさまった。

「すみません…取り組み中にお邪魔して」

テントの入り口をかさりと控えめな音をたてて開いたのは、同盟主…悟飯王だった。すでに、今後の段取りは決めたあとだ。一体他に何の用事があるのだろうか…。
――心のどこかで期待してしまっている自分がいることには…目を向けないように、した。

「いえ、まったく問題ありません。狭苦しい場所ですが、どうぞ」
「ありがとうございます、それじゃあお言葉に甘えて…失礼しますね」

足元で「ちょ、ギブ、ぎぶぎぶ…し、しぬ、」とかいまだに喚いている言葉も聞こえたような気がしたが、とどめに踵で踏みつけてやれば、ついにそれは何も発さなくなった。

「ティメくん…だ、大丈夫なんですか?」
「ああ…これはコイツなりの鍛え方でして。サイヤ国では真に強い男になるためには踏みつけられるのも厭いません」
「ああ、だから、ティメくんはこんなに強いんですね!」

にこり微笑むその笑顔に、こちらまでにやけそうになるが…そこはすべての神経を集中させてポーカーフェイスを保つことに専念した。

「ところで、どうかされたのですか?」

明日には、もうサイヤ国に帰り着く。
最初は、しばらくの間滞在することを勧めていたが、自国を安心させるためにもなるべくすぐに帰郷すると悟飯王はいっていた。おそらくは…ティメの代わりをしているという弟分が気になってもいるのだろう。その悟飯王の意思を踏みにじることもできず…最大限の譲歩として、見送りは盛大にすることに決めていた。
全国民に悟飯王を盛大に見送る姿を見せることは、反乱軍を俺たちの手で制圧したことを示すととともに、三国の共存の意思を全国民に示すことにもなるはずだ。
…それに俺自ら、この人を見送れば、多少なりとも牽制になるだろう。反乱分子に対して。やつらは、俺が面倒くさがりであることを計算に入れて、今回の反乱を起こしたに違いない。確かに、かつての俺であれば、極力面倒ごとに関わろうという気概は起こらなかっただろう。しかし、今は…違う。
そのことを示すだけでも、一部の過激派にはよい薬になるはずだ。

明日悟飯王が帰還されたのち、正式にスク王子とティメ…ティ姫の結婚式を行い、今後も仲良くやっていこうという話はしていたが…
そうだ、明日には、もうこの人は帰ってしまう。
つらつらとめぐらした思考が、結局は同じところに落ちついてしまい、思わず、踏みつける足に力が入ったのは致し方ないだろう。

「あの…三国間の連結についてなのですが」
「はい」
「私としては、技術を互いに輸出入することで…理論的にも結びつけると考えているんです」

そんな俺の内心など…ついでに足元の変化も知らない悟飯王は、意を決したように言葉を続ける。

「これまでは、自国の中での経済発展が主たる課題でした。これからはそれだけでなく、国を超えて経済発展していけることができれば…と思うんです。そのためには、私たち国主の連携が必須になってきます。ですから…」

照れたように、言葉を切る目の前の愛しい人に、嫌でも心臓の鼓動が早まって。こればかりは、いくらの俺でも調整できるものでもなく。ただ、なるように、任せるしかない。

「これからも、頻繁にこちらに訪ねさせていただくことになるかと思いますが…どうぞよろしくお願いしますね」

なるように任せた心臓が、大きく鳴り響く。
初めて、“平和”に向けて歩んで生きたいと思った瞬間だった。
きっと、これから俺は――この人と生きるためにならば、どんな労苦も厭わなくなるのだろう。

その予感は、もはや確信となって俺の中を駆け巡っていった。


~~~
おとめーと叫んだのは(略)
サイヤ国流~というくだりは、サイヤ国における常套句らしいです。笑
拙宅のツパティメコンビはもう漫才コンビでいい気がしてます。バイオレンス漫才だよ。

あと、2,3話で終了予定です。えー、ただでさえ好き勝手やってたのが、さらに好き勝手やる予定です。じゅーんぶらいどって言葉に嫌な予感がした人は全力で逃げてくださいね。笑
PR
カレンダー
04 2025/05 06
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
リンク
material by:=ポカポカ色=
忍者ブログ [PR]